凛寒りんかん)” の例文
凛寒りんかんな凍てと、それだけ歩いたためだろう、松は道の四つつじになった処で、もういいからと別れを告げた。
嘘アつかねえ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
刈り取ったあとの、醜い裸の泥田のさむざむとした展望、これは約半年のあいだ全国いたるところに見られる風景だ、おれはこの凛寒りんかんたる泥田を美しい牧草で飾るんだ、肥臭い稲田を
花咲かぬリラ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
神戸という土地は摩耶山まやさんおろしとかいって冬のはじめから凛寒りんかんな風が吹く。
陽気な客 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)