)” の例文
あくる日、樋口さんは、ちょいと風邪をいたのだと言いその手当をしたが、「どうも弱い子ですね。上野まで出て、コレだから大変だ。」
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
まるで生きているようなものだ、風邪をいた女の子がちょっと快くなって、外の空気にふれただけでまた冒き返すことに似ている、この人は風邪を冒いたようなものである。
陶古の女人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「その頭の鉢の地がだいぶげかかっているぜ、——風邪をひとついたってもうそれきりだと思うがよい、おれの見舞いにゆく前に、誰かが行っておまえのかたをつけてしまうだろう。」
しゃりこうべ (新字新仮名) / 室生犀星(著)