円卓まるづくえ)” の例文
ふと見れば片側ののきにそひて、つたかずらからませたるたなありて、そのもとなる円卓まるづくえを囲みたるひとむれの客あり。こはこの「ホテル」に宿りたる人々なるべし。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
この人は今着きし汽車にて、ドレスデンより来にければ、茶店ちゃみせのさまの、かしことこことことなるに目を注ぎぬ。大理石の円卓まるづくえ幾つかあるに、白布しらぬの掛けたるは、夕餉ゆうげ畢りしあとをまだ片附けざるならむ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)