兵庫頭ひょうごのかみ)” の例文
彼の伯父なる人とは、六波羅評定衆の一員、上杉兵庫頭ひょうごのかみ憲房のりふさである。ここはその邸内だったのはいうまでもない。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
源三位入道頼政は、摂津守頼光から五代目の子孫三河守頼綱の孫、兵庫頭ひょうごのかみ仲政の子である。
左衛門尉さえもんのじょう忠久公より十六代目の御嫡孫也、文武二道の名将にて、上を敬ひ下を撫で、仁義正しくましませば、なびかん草木はなかりけり、御舎弟には兵庫頭ひょうごのかみ忠平公、左衛門尉歳久公
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
杉浦誠は幕府瓦解がかいの際箱館奉行の職にあった杉浦兵庫頭ひょうごのかみ勝静である。かつて詩を枕山に学んだ。『枕山詩鈔』三編丁卯の集に「梅潭杉浦君箱館ニ赴任スルヲ送ル。」七絶一首が載っている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)