考えてみれば、蛸壺の句にあるような先験的トランセンデンタールの光芒を帯びた夢や、卓が一人で歩いて行くような恐ろしい夢は見ない方が仕合わせなのかもしれない。
八月三日の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)