充牣じゅうじん)” の例文
よく考えると何にもないのに、通俗では森羅万象しんらばんしょういろいろなものが掃蕩そうとうしても掃蕩しきれぬほど雑然として宇宙に充牣じゅうじんしている。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
人生上芸術上、ともに一種の因果によって、西洋に発展した歴史の断面を、輪廓にして舶載はくさいした品物である。吾人がこの輪廓の中味を充牣じゅうじんするために生きているのでない事はあきらかである。
イズムの功過 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)