元結もとい)” の例文
とも知らず、この朝、とうの日野俊基としもとは、元結もといを解いて、菊王に髪を結わせていた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それと共に、り伸ばした物干竿は、忠明の姿を真二つに斬り下げたかのような旋風つむじかぜを起し、忠明のまげのもとどりは、それをわすに急なため、逆立って、ぷつりと、元結もといの根が切れた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてふと、元結もといのゆるみに、自分の髪の根もとをつかんで
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——こんにちは。親方さん、元結もといはまだでございますか」
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)