停車場すていしょん)” の例文
国元の親爺の停車場すていしょん送りの外は、絶えて頼んだことの無い宿車を頼んで、出かけたです、土手下に車を置かせ僕は川べりに屈んで竿をおろしたでせう。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
車のあとより車の多くは旅鞄たびかばんと客とを載せて、一里先なる停車場すていしょんを指して走りぬ。ぜんの通い茶の通いに、久しくむつみたるおんなどもは、さすがに後影を見送りてしばし佇立たたずめり。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
医学士「ハハハハ停車場すていしょんへ、預けてある荷物を受け取らねば成らぬと仰有ったが茲は停車場では有りませんよ、貴方の商用とは大変な商用ですネエ」嘲けるよりも寧ろ打ち解けて笑談じょうだん
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)