依托いたく)” の例文
『新俳句』は明治三十年三川さんせん依托いたくにより余の選抜したる者なるが明治三十一年一月余は同書に序して
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
よし天才に秀でた作があっても、未来の工藝をかかる天才にのみ依托いたくしてよいか。民衆との結合なくして工藝があり得るであろうか。偉大な古作品は天才の作であるか。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
それから段々話しているうちに老人は死後のことに就き色々と拙者に依托いたくせられた、その様子が死期の遠からぬを知っておらるるようで拙者も思わず涙をんだ位であった
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
もしも大原君のような誠実無二の人が家庭教育研究会の依托いたくを受けて欧米の家庭教育を取調べてくれればひとりその会のためのみならず我が日本国の公益になる、大原君なら実に適任だ
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)