佚亡いつぼう)” の例文
もと『医心方』は巣元方そうげんぼうの『病源候論びょうげんこうろん』をけいとし、隋唐ずいとうの方書百余家をとして作ったもので、その引用する所にして、支那において佚亡いつぼうしたものが少くない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
抽斎随筆、雑録、日記、備忘録の諸冊中には、今すで佚亡いつぼうしたものもある。就中なかんずく日記は文政五年から安政五年に至るまでの三十七年間にわたる記載であって、裒然ほうぜんたる大冊数十巻をなしていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)