佐太郎さたろう)” の例文
「主人と私と、増屋の若旦那の佐太郎さたろう様と、木戸番の半助はんすけと、番人の助七夫婦と、孝行藤六くらいのものでございます」
と思ったらすぐそのあとから佐太郎さたろうだの耕助こうすけだのどやどややってきました。
風の又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
黒沢岩太郎覚えたか、按摩の佐の市とは世過ぎの仮の名、本名は磯見要の一子佐太郎さたろう、二十年目でかたきあだにめぐり逢うとは、日頃信心する観音様のお引合ひきあわせ——
禁断の死針 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
金にも娑婆しゃばっ気にも不足のない男でしたが、たった一人のせがれ佐太郎さたろうが、素姓のよくない女と一緒になり、それがきっかけで勝負事に手を出し、果ては金看板きんかんばんのやくざ者になり下がってからは