代償だいしょう)” の例文
彼は到底現実の真佐子を得られない代償だいしょうとしてほとんど真佐子を髣髴ほうふつさせる美魚を創造したいという意慾がむしろ初めの覚悟に勝って来た。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「いや、燻製肉の代償だいしょうを欲しているわけでもない。慾心よくしんで、それを造ってあげようというのではない」
タルティーニ(Giuseppe Tartini 1692—1770)のヴァイオリン・ソナタ「悪魔の顫音せんおん」はその——作曲者タルティーニが悪魔に魂を売った代償だいしょうとして一曲の楽想を
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
言わばこれは源十郎の殿様から贈られたお艶の代償だいしょう
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
左右の肺の一つが結核菌におかされて駄目になると、のこりの一方の肺が代償だいしょうとして急に強くなり、一つで二つの肺臓の働きをするなどということは、医学上よく聞くことだ。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その代償だいしょうとして、あと燻製の五十箱や六十箱は支出して苦しからず”