仙石せんごく)” の例文
電車が出来てから、箱根は却つて奥の方が好くなつた。湯元や塔の沢よりも、強羅がうら仙石せんごく小湧谷こわくだにの方が好くなつた。
女の温泉 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
もう一つ余事にわたることを許して貰えるならば、私は、電気以前のヴァイオリンと歌のレコードを根気よく集めている仙石せんごく氏に敬意を表している。近頃の人はあまりに浮気過ぎる。
川路左衛門尉といへば、人も知つてるやうに仙石せんごく騒動を裁いた名代の傑物だつた。
私のえりに這っていたのを見つけ、それから虎之助どのが、仙石せんごくどのの袖にも見つけ、みんなして、移るぞ移るぞといって、からかっているうち、こうして焚火にぬくもっていたものですから
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、奥御殿へ行くことが出来た。それでもさすがに宿直とのいの部屋には、仙石せんごく権兵衛だの薄田隼人すすきだはやとだのが、肩や肘を張って詰めていたよ、しかしそいつの話と来ては、お話にも何にもならなかった。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
九鬼くき仙石せんごく、中村一氏かずうじの諸軍は、さらに熊野へ進攻した。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)