人格ひとがら)” の例文
教育家や宗教家は、ぜひとも、この「人格ひとがら」を、目的めあてとせねばなりません。次に薬とは信仰です。養生とは修養です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
父の人格ひとがらがすこし変ったのは、中年過ぎて男の子が出来てから、母の狂愛に捲込まきこまれてからだった。私につぶやいてきかせたころは、実に好きな父だった。
筒井は頭を垂れ、どこに行っても大切にされる自分にどこがそれほどの人格ひとがらがあるのか分らなかった。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
世相を写すのが小説であるなら、女の弱点をも美所をも公平に取扱って戴いて、故意に弱点ばかりを見るというような不真面目ふまじめな態度、態度というよりは作者の人格ひとがらを改めて戴きたい。
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)