“亡躯”の読み方と例文
読み方割合
なきがら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その亡躯なきがらは、赤いズボンをはいた兵士達に護られて墓へ運ばれ、白いネクタイをかけた人たちが、彼の棺に、哀惜の言葉と、心からの涙を注いだのである。
狂人日記 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
最後にいまわたくしの心に残るのは、老耄ろうもうして十二三年も以前に見失った小猫の幻を追ったり、偶然にしろ、その亡躯なきがらは嘗ての良人の住む岸の川へ漂って行ったという、そのことでした。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
私達は弟の亡躯なきがらは見ないのであった。
生い立ちの記 (新字新仮名) / 小山清(著)