亜米利加人アメリカじん)” の例文
旧字:亞米利加人
処が翌朝になって見ると、少くとも一等船客だけは、いずれも船に酔った結果、唯一人の亜米利加人アメリカじんの外は、食堂へも出ずにしまったそうである。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
大勢おおぜい食事の折柄おりから腹こなしに一席弁じたくば亜米利加人アメリカじんが食卓の祈祷きとうの如きまだしも我慢がなりやすし。風俗時勢の新旧を問はず宴会といふものほど迷惑千万なるはなし。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
たいていの亜米利加人アメリカじんに通じる訳のものではないが、そこがバーのバーたるところで、ゼントルメン大いに飲みましょうとやるや否や、士官連がわあっと云って主人公を胴上どうあげにしたそうである。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)