中川淡路守重高あはぢのかみしげたか等なり此時井伊掃部頭ゐいかもんのかみ發言はつごんにより松平陸奧守綱村卿つなむらきやう進みいでて申されけるに天下の御繼子ごけいしの儀は東照神君御血筋ごちすぢちかき方よりつがせ玉はす事こそ順當じゆんたうなるべし然れば紀州公は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
井伊掃部頭ゐいかもんのかみが主義の邪魔者だといふので、斬つて時局を動かしたけれど、それから二十年後には反對に井伊掃部頭の銅像が横濱に建つてしまひ、こんどは開國の偉人といふことになるでせう。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)