二梃にちょう)” の例文
ポントアーズ街の警視のことと、防寨の中で自分が使っている二梃にちょうのピストルはその警視からもらったものであることを、思い起こした。
石菖せきしょうの水鉢を置いた欞子窓れんじまどの下には朱の溜塗ためぬりの鏡台がある。芸者がひろめをする時の手拭の包紙で腰張した壁の上には鬱金うこんの包みを着た三味線が二梃にちょうかけてある。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それらを眼前に見ては、あらゆる躊躇ちゅうちょの情も消え失せてしまい、二梃にちょうのピストルを手にして混戦のうちにおどり込んだ。
各一群はそれぞれ隊長を選んでいた。公然とピストルを二梃にちょう身につけてる男が、あたかも閲兵でもするようなふうで駆け回り、各列はその前に道を開いた。
仕込みづえや銃や二梃にちょうの騎馬用ピストルや一梃のポケット・ピストルなどを、まるで武器箱をひっくり返したようにして、若い娘が小さな裁縫箱を片づけるような注意でそれを整理していた。
コンブフェールは隊の番号のはいった国民兵の銃を手にし、帯皮にさしてる二梃にちょうのピストルがボタンをはずした上衣の下に見えていた。ジャン・プルーヴェールは騎兵用の古い短銃を持っていた。