二側ふたかわ)” の例文
ほどもなく入り来る洋服扮装いでたちの七分は髯黒の客人まろうど、座敷に入りてしばらくは打ち潜めきたる密議に移りしが、やがて開きて二側ふたかわに居流れたるを合図として
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
声を揚げてみんな笑った……小さいのが二側ふたかわ三側みかわ、ぐるりと黒くかたまったのが、変にここまで間をいて、思出したように、遁込にげこんだ饂飩屋の滑稽な図を笑ったので、どっというのが、一つ
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
赤い盃が二側ふたかわに居並んだ人々の手へ順々に廻された。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「込み合いますから、どうぞお二側ふたかわに願います。」
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)