了簡方りょうけんかた)” の例文
「そりゃあそうさ。いったい、遊行上人に食ってかかろうというお前の了簡方りょうけんかたがわからねえ、ほかに仕事がねえじゃあるめえし」
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
困った了簡方りょうけんかたの男で、そこでいい心地になって、石塔に肱をついて、塔婆の陰からのぞいたうちに、真暗まっくらになったから、ハッと思うと、誰も居ない。——とろりとして夢を見たのであろうか。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれども、ナニお前さんがそうした了簡方りょうけんかたならそれまでの事サ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
前の走る者の了簡方りょうけんかたもわからないが、後ろから追いかけて来る奴の心持もわからない。おーいとも言わず、待てとも呼ばず、ただ、足をバタバタさせて追っかけて来るばかり。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
喧々囂々けんけんごうごうたるうちに、誰にもわからないのは、道庵先生なるものの了簡方りょうけんかたです。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そのめまぐるしい得物を、微塵にカッ飛ばしてやろうとの了簡方りょうけんかたと見えます。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)