丹沢山たんざわやま)” の例文
箱根の峠を越した後再び丹沢山たんざわやま大山おおやまの影響で吹き上がる風はねずみ色の厚みのある雲をかもしてそれが旗のように斜めになびいていた。
春六題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
丹沢山たんざわやまのかくれ家へと、二人三人ずつ、人めにたたぬ旅をつづけることになりました。
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
沼間ぬま夫人と森川夫人と従妹いとこ麻耶子まやこは、今夜の接待係りなので壁煖炉シュミネのところにいるボクさんや久世くぜ氏、ご母堂と話をしている苗木売りのお爺さん、丹沢山たんざわやまの、あの四人の科学者たちに
「きみは、丹沢山たんざわやまのきこりの松下君だね。」
宇宙怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
丹沢山たんざわやまで会った篤実とくじつな四人の学者たち。それから、っちゃなボクさん。
心外道人は舟をこがせて海岸ぞいに南へ南へと落ちのび、ほどよいところに上陸して、丹沢山たんざわやまの奥ふかく、とある洞窟どうくつに太郎月子の兄妹をみちびいたのは、それからじつに五日めの昼すぎでした。
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)