中房なかぶさ)” の例文
奉迎奉送の人達であると知りながら、また昨日中房なかぶさ温泉から殿下のおむかえに下って来た私等でありながら、忘れてはふと何事が起ったのかと怪しむのであった。
中房なかぶさを出る時に、連れが一人ありましたのですが、その連れにはぐれたものですから、それを追いかけるような気分で、つい知らず、この白骨へまぎれ込みました」
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
中房なかぶさ温泉着約十二時、名古屋内燃機の人四人(加藤という人もありき)と逢えり、温泉に入浴昼食をとり一時中房温泉発、急なる登りなり、四時半つばくろ小屋着、途中女学生の一隊多数下山するに逢う。
単独行 (新字新仮名) / 加藤文太郎(著)
宇津木兵馬は、あすは中房なかぶさの温泉に向けて出立しようと、心をきめてしんにつきました。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
中房なかぶさから意外な女の人と道づれになって、その女を途中でさらわれてしまい、どうでもいいようなものだが、勃然ぼつねんとして、思いあたって、義において見殺しはできないという心から
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
宇津木兵馬は、今宵月明に乗じて中房なかぶさを出で、松本平の方へ歩みます。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)