中姉なかあん)” の例文
だからもう啓ちゃんも疑念を晴らして安心している。恐らく今では中姉なかあんちゃんにこんな手紙を書いたことを後悔しているであろう。———
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
何にしても中姉なかあんちゃんに一遍様子を見に来て貰いたい、と、雪子とうさんはっしゃっていらっしゃいます、と云うのであった。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
中姉なかあんちゃんからわたしに電話が懸ったことも分っているから、そのうちには帰るであろう、わざわざ今から来てくれるにも及ぶまい、と云う。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
幸子のことを「中姉なかあんちゃん」、雪子のことを「雪姉ゆきあんちゃん」と呼びならわしたが、その「ゆきあんちゃん」が詰まって「きあんちゃん」と聞えた。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
中姉なかあんちゃん、まだかいな、もう五時になるやないの、と、妙子がさすがに気をんでホテルから懸けて来たのであった。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
阿呆あほらしい。———この手紙のことやったら、中姉なかあんちゃんに云付いつけてやる云うて、こないだからおどかされててんわ」
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
と、或る時妙子が、「中姉なかあんちゃんこれ読んだか」と云って、二三箇月前の或る婦人雑誌を持って来たことがあった。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
これは主として幸子の提案なのであったが、妙子もそれに異議はなく、どうとでも中姉なかあんちゃんの好いと思う方法で頼んで欲しい、と云うことになった。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「あのなあ、………ちょっと、中姉なかあんちゃん云うてほしい。………うち、どない云うてええか分らへん」
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)