与兵衛よへゑ)” の例文
旧字:與兵衞
昔、紀州きしうの山奥に、与兵衛よへゑといふ正直な猟夫かりうどがありました。或日あるひの事いつものやうに鉄砲かたげて山を奥へ奥へと入つて行きましたがどうしたものか、其日そのひに限つてうさぎぴきにも出会ひませんでした。
山さち川さち (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
与兵衛よへゑ子猿こざるにはチヨンといふ名をつけました。家内中はみんなそのチヨンを大変大事にして可愛がりました。殊に信次しんじとは、まるで兄弟のやうにして毎日/\跳んだりねたりして一緒に遊びました。
山さち川さち (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)