与党よとう)” の例文
その理由は、さきにわが真田家は、上杉家に隷属れいぞくし、そのよしみを破って、北条家にはしり、また徳川家の与党よとうに変ったということでございましょう。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さればよ。信長卿もご出馬あるので、今度はおそらく、北陸の一向門徒と、上杉謙信のあやつる与党よとう蠢動しゅんどう殲滅せんめつし尽すまでは、われらも帰国相成るまい」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのおもなる隊には、伊達だて、南部、結城などの大族があり、やがて白河を越え、雪もうすらぐと、上野こうずけ地方から新田与党よとうの参陣もみえて、兵は五千余騎に達していた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「秀吉の眼中に、ひとりさまたげとなる徳川家を、何で、そのままにしておこう。やがて、徳川方の与党よとうをすべて切りもいだあかつきには、いよいよ主体の敵へかかって来るにちがいないのだ」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)