不言不語いわずかたらず)” の例文
孝子が問いかえしたことは、それは、女生徒の間にも、女教師たちの間にも、不言不語いわずかたらずに考えられていることなのだ。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
赤羽停車場ステエションの婆さんの挙動と金貨を頂かせた奥方の所為しわざとは不言不語いわずかたらずの内に線を引いてそれがお米の身に結ばれるというような事でもあるだろうと、聞きながら推したに
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小判の山がうず高く積んであろうという、膳の上よりも膳の下が目的めあてということは、贈るほうも贈られる方も、不言不語いわずかたらず、ズンと飲み込んでいるのだから、誠に重宝ちょうほうな品物で……。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)