上構造うはこうざう)” の例文
聽えるものは、鐵橋の上構造うはこうざうに當る強い風の響きばかりで——天候は、宿を出た時よりも險惡になつてゐた。周圍に近い人家もなく、また防風林もないので、橋のうへはそらに向き出した。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)