丁子頭ちょうじがしら)” の例文
顔も真赤まっかに一面の火になったが、はるかに小さく、ちらちらと、ただやっぱり物見の松の梢の処に、丁子頭ちょうじがしらが揺れるように見て、気がしずまると、坊主も猿も影も無い。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
折ふし、かたわらの燈火が、ぽっと仄暗ほのぐらくなった。洩れくる風にまたたいて丁子頭ちょうじがしらがポトリと落ちた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)