一里ひとさと)” の例文
……この大痘痕おおあばたばけものの顔が一つ天井から抜出ぬけだしたとなると、可恐おそろしさのために一里ひとさと滅びようと言ったありさまなんです。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かれに取っては、花のその一里ひとさとが、所謂いわゆる、雲井桜の仙境であった。たとえば大空なるくれないの霞に乗って、あまつさえその美しいぬしをたのであるから。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)