一筋縄ひとすじなわ)” の例文
旧字:一筋繩
いやしくも間謀を務めている者、しかもシムソンのように一筋縄ひとすじなわで行かない強か者が、盗んだ書類を身の廻りに置いているでしょうか。
計略二重戦:少年密偵 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
まきあげてやろうと思ってるんだがね。ところがどうして、あいつは一筋縄ひとすじなわで行く野郎じゃないんだ。助平だよ、まったくの助平野郎だよ!
その中に這入て居る書生は皆活溌有為ゆういの人物であるが、一方から見れば血気の壮年、乱暴書生ばかりで、中々一筋縄ひとすじなわでも二筋縄でも始末に行かぬ人物の巣窟そうくつ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「いやいや、相手はとってもすなおにもどすとは思われません。というのは、あのギンネコ号にはゆだんのならぬ連中が乗組んでいると思われるからです。とても一筋縄ひとすじなわではゆきますまい」
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
「いや、あいつ、まったく一筋縄ひとすじなわでは手におえん子供でして——」
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
一筋縄ひとすじなわでは、行かぬわい。」
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)