一矢いつし)” の例文
女学子若し今にして警醒せずんば天下を率ひて清談風話におぼらしむる者は女学子其一部の責に任ぜざるを得ず予は実に女学子を以て此傾向の代表者として一矢いつしを向けざるを得ざるを悲しむ。
凡神的唯心的傾向に就て (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
一旦事あれば鼠糞そふん梁上りやうじやうよりちてだに消魂の種となる、自ら口惜しと思へどせんなし、源氏征討の宣旨せんじかうむりて、遥々はる/″\富士川迄押し寄せたる七万余騎の大軍が、水鳥の羽音に一矢いつしも射らで逃げ帰るとは
人生 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)