一牛鳴いちぎゅうめい)” の例文
しんの墓は小日向水道町こびなたすいどうちょうなる日輪寺にありと聞きしのみにて、いまだ一たびも行きてとむらひしことなければ、この日初夏のひあしのなほ高きに加へて、寺は一牛鳴いちぎゅうめいの間にあるをさいはひ杖を曳きぬ。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)