一杯ひとつき)” の例文
そは好趣味ありと謂ふべし。さらば、即興詩人の君、アヌンチヤタの健康を祝して一杯ひとつきを傾けてん。(我は苦痛を忍びてさかづきうちあはせたり。)
蟲の音のほそきこの夜と思ふにぞあはれ一杯ひとつきの水すすりをる
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
さては此いへあるじこそは、土地に匹儔たぐひなき美人なりしなれ、疲れたる旅人二人に、一杯ひとつきのみものを惠み給はんやと云へば、いと易き程の御事なり、戸外に持ち出でてまゐらせん
虫の音のほそきこの夜と思ふにぞあはれ一杯ひとつきの水すすりをる
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
我に一杯ひとつきの酒を飮ませ給ふとも、誰かはそを惡しき事といはん。何故に君は我がそこに入らんとするをこばみ給ふぞ。新婦。否、かく夜ふけておん身と物言ひ交すだに影護うしろめたき事なり。