一旒いちりう)” の例文
踏切りの近くには、いづれも見すぼらしい藁屋根や瓦屋根がごみごみと狭苦しく建てこんで、踏切り番が振るのであらう、唯一旒いちりうのうす白い旗がものうげに暮色をゆすつてゐた。
蜜柑 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)