一把いちわ)” の例文
傘が触って入口ののきに竿を横たえて懸けつるしてあった玉蜀黍とうもろこし一把いちわをバタリと落した途端に、土間の隅のうすのあたりにかがんでいたらしい白い庭鳥にわとりが二
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
芸妓おんなたちは、右手にも左手にも、生姜しょうがを持たせられた。斧四郎も一把いちわ持って、肩にのせたり、振り廻したりした。お菊ちゃんだけは、どうしても持たなかった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
児共われもわれもと力を尽して折ってみれども、すこしも叶わなんだ、そのとき父堅く巻きたてしをほどき、一把いちわずつ面々に渡いたれば、造作もなく折った、それをみて父のいうは
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)