一切空いっさいくう)” の例文
先生はそんな費用が、どれくらいかかるかまるで一切空いっさいくうである。したがって、おいそれと簡単な返事が出来ない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
以て一切空いっさいくうの世界へ送ってあげるのが、一番の功徳ではないかとわたくしは考えます
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一切空いっさいくうちゅうおばあさんがどこかしらにござった。
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
ぼんやりと世界に帰って、またぞろすぐと不覚におちいっちまう。それから例のごとく首が落ちる。かすかに生きてるような気になる。かと思うとまた一切空いっさいくうに這入る。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)