一個々々ひとつびとつ)” の例文
地獄谷のひびき、神通のながれの音は、ひとしきりひとしきり脈を打って鳴りとどろいて、うずたかいばかりの贓品ぞうひん一個々々ひとつびとつ心あって物を語らんとするがごとく、響に触れ、ともしに映って不残のこらず動くように見えて
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)