“シロッコ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
熱風50.0%
東南風50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは、海風が熱風シロッコといっしょになってひき起こすことのある、興奮と弛緩しかんとをかねた状態なのであった。せつない汗がにじみ出た。
熱風シロッコのそよぎになまぬるくさわられながら、しなやかな水の上でクッションにもたれたまま、旅人はいかにも異常な、と同時に甘美な遊惰を楽しみつつ、目をとじた。
「警察の命令でさあ。こう暑かったり、熱風シロッコが吹いたりする時にゃ、これが規則なんですよ、だんな。熱風シロッコというやつぁ重苦しい。からだにゃよくありませんからね……」
日が暮れると東南風シロッコが吹いて、天幕が重い音を立ててゐました。そこへ、不意に白人の紳士がとばりを挙げて私たちをのぞきました。紳士はびやうをつけた旅行靴を鳴らして、天井とすれ/\に入つて来ました。
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)