“カミン”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:かみん
語句割合
壁煖炉50.0%
壁炉25.0%
暖炉25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
部屋は鉄の置煖炉で暖めてあるが、真赤な紙片を貼った、模造の石炭の入っている典雅な壁煖炉カミンの前には、気持よく雑談のできる座席がいくつもあったのである。
トリスタン (新字新仮名) / パウル・トーマス・マン(著)
来る夜も来る夜も彼女は書棚の中から、壁炉カミンの中から、部屋の片隅から、じっと彼を見つめていて、彼にはその息づかいや、優しいきぬずれの音が聞こえるのだった。
よいの静寂のなかで子どもたちの予習の声が書斎まで聞こえて来ても、ふと小唄を耳にしても、料理屋でオルガンの鳴るのが聞こえても、または壁炉カミンのなかで吹雪が唸っても
「じゃ、おいとまするとしましょう、天人のおそばを」とイヷン・イヷーヌィチは、私が客間を一度二度と行き戻りして、やがて暖炉カミンのそばに腰を下ろしたとき、そうぼそついた。
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)