“むしん”の漢字の書き方と例文
カタカナ:ムシン
語句割合
無心100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
無心むしん有心ゆうしんに変るまでにはある時がかかった。驚ろきの時、不可思議の時、疑いの時、それらを経過したあとで、彼女は始めて棒立になった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
明治十七八年ごろのことであった。改進党の壮士藤原登ふじわらのぼるしば愛宕下あたごしたの下宿から早稲田の奥に住んでいる党の領袖りょうしゅうの処へ金の無心むしんに往っていた。
雑木林の中 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
糟谷かすやはこのあいだにも細君の目をそらして、これら無心むしんの母子をぬすみ見たのである。そうしてさびしいはかない苦痛くつうが、むねにこみあげてくるのである。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)