“ひとにらみ”の漢字の書き方と例文
語句割合
一睨100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
容色きりょうはもとより、中年増でも生娘のような、あの、優しい処へ俺目を着けた。一睨ひとにらみ、床の間から睨んだら、否応はあるまいわい。ああ、ここが俺膃肭臍の悲しさだ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と筆者を一睨ひとにらみしながら立上る。心持ち不叶ふかないな左足を引ずり引ずり舞台に出る。この頃から既に、お能の神様、兼、カンシャクの神様が翁に乗り移っていたように思う。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
つかまえてちでもする事か、片手で澄まし込んで釣るじゃねえか。釣った奴を籠へ入れて、(小僧これを持って供をしろ。)ッて、一睨ひとにらみ睨まれた時は、生れて、はじめてすくんだのさ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)