“ならを”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
楢夫66.7%
楢雄33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
踊ったぞ、踊ったぞ。町のまっ赤な門火の中で、刀をぎらぎらやらかしたんだ。楢夫ならをさんと一緒になった時などは、刀がほんたうにカチカチぶっつかった位だ。
種山ヶ原 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「うん。」楢夫ならをが答へました。楢夫はもうすっかり機嫌きげんを直してピョンピョン跳んだりしてゐました。
ひかりの素足 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「みんなひどく傷を受けてゐる。それはおまへたちが自分で自分を傷つけたのだぞ。けれどもそれも何でもない、」その人は大きなまっ白な手で楢夫ならをの頭をなでました。
ひかりの素足 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「ほう、すっかり夜ぁ明げだ。」一郎はひとりごとをひながら弟の楢夫ならをの方に向き直りました。楢夫の顔はりんごのやうに赤く口をすこしあいてまだすやすやねむって居ました。
ひかりの素足 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
楢雄ならをは生れつき頭が悪く、近眼で、何をさせても鈍臭どんくさい子供だつたが、ただ一つ蠅をるのが巧くて、心の寂しい時は蠅を獲つた。
六白金星 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)