“てふきがみ”の漢字の書き方と例文
語句割合
手拭紙100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
薩摩さつま蝋蠋らふそくてら/\とひか色摺いろずり表紙べうし誤魔化ごまくわして手拭紙てふきがみにもならぬ厄介者やくかいもの売附うりつけるが斯道しだう極意ごくい当世たうせい文学者ぶんがくしや心意気こゝろいきぞかし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
何かといえば、その部屋の腰壁こしかべと垣の間に落ちていた丸い紙屑かみくずだ——雨に打たれた様子もなく、フワリと草の上に浮いているのは、捨てたばかりの手拭紙てふきがみに相違ない。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
残しときゃ手拭紙てふきがみにでもするんだが、それもあんまり義理が悪いようだし、お前さんに預けておくから、西宮さんに頼んで、ついでの時平田さんへ届けてもらっておくんなさいよ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「ははあ、やッぱりここだな。ここより外に人臭い様子がねえ。いつか草の中に、髪の毛のついた手拭紙てふきがみが捨ててあったのもこの辺だ。ほかに女気もないという話、きっと座敷牢とでもいう按配になっているのかも知れねえ、一つ当ってみようか……」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)