“てなげだん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手擲弾66.7%
手投弾33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時に、かの女のいるテーブルの反対側の広間から、にわかときの声が挙って、手擲弾てなげだんでも投げつけたような音がし出した。かの女はぴくりとしておびえた。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
と、叫びながら狂気のように黄は彼女の後を追いかけたが、手擲弾てなげだんのようなマリの靴を向脛むこうずねに見まわれてびっこをひきながら彼は街路に飛出した。野蛮………………マリを跳ねかえした。
スポールティフな娼婦 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
結局かの女の途方も無い愛情で手擲弾てなげだんのように世の中に飛び出して行ったむす子……
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その他の手投弾てなげだんや、鉄条網や、魚形水雷や、偽造の大砲は、ただ単なる言葉になって、今は頭の底に判然はっきり残っていないが、この一足の靴だけは色と云い、形と云い
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)