“ちゃくし”の漢字の書き方と例文
語句割合
嫡子100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのいえではいささかの酒宴が催されました。父は今年六十。たとえ事情は何であっても、表向おもてむきいえ嫡子ちゃくしという体面をおもんずるためでしょう。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かく申す拙者こそ花村甚五衛門の嫡子ちゃくしにてすなわち花村右門でござる。嘘とおぼさば本陣へ参って父甚五衛門へこの趣き至急お取り次ぎくださるよう
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
嫡子ちゃくしを連れた仙台の家老はその日まで旅をためらっていて、宿方で荷物を預かった礼を述べ、京都の方の大長噺おおながばなしを半蔵や伊之助のところへ置いて行った。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)