“だつえば”の漢字の書き方と例文
語句割合
奪衣婆100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼が隣の墓地ぼちにはもと一寸した閻魔堂えんまどうがあったが、彼が引越して来る少し前に乞食の焚火たきびから焼けて了うて、木の閻魔様ははいになり、石の奪衣婆だつえばばかり焼け出されて
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
瀬戸内海を縫うてまた浪速なにわへと志し、安治川あじかわを上って京の伏見より江州を経て勢州に至り、尾張、三河、遠江とおとうみ、そこの狩宿に十王堂を建て、十王尊と奪衣婆だつえばを納め、駿河するがの随所に作物を止めて
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
黄金を積んだとて、可愛い子はかえらぬぞ! この長崎屋、ちゃんと、奪衣婆だつえばの手に渡してしまったのじゃ! ふ、ふ、ふ、あの子が生れたときには、有頂天によろこんで、これで
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)