“たがそで”の漢字の書き方と例文
語句割合
誰袖100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と云うのは、十歳の折乳母に死に別れてからは、時偶ときたまこの寮に送られて来る娘はあっても、少し経つと店に突き出されて、仙州せんしゅう誰袖たがそで東路あずまじなどと、名前さえも変ってしまう。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「見れば桔梗ききょう様に誰袖たがそで様、白萩様のお三人、庭先などに引き据えて何をなされたのでございます。ああ解かりました解かりました。さてはいつものご折檻せっかんを今夜もなされたのでございますな」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これは五百と同じく藤堂家に仕えて、中老になっていた人である。五百は久しく消息の絶えていたこの女と話がしたいといって、ほど近い横町よこちょうにある料理屋誰袖たがそでに案内した。成善も跡に附いて往った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)