“ぜにごけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
銭苔50.0%
銭蘚苔25.0%
錢苔25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一抱えほどの幹と三抱えぐらいのとが根もとから二叉ふたまたになって幹にも枝にも更紗さらさ模様をおいたように銭苔ぜにごけがはえ、どす黒い葉のなかにいちめんに花がさいている。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
彼は洋灯ランプを手に取って、仔細に床の上を検べ始めた。そして怪鳥の立っていたと思われる処から、小さな銭蘚苔ぜにごけかたまりが落ちているのをみつけた。
廃灯台の怪鳥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
怪鳥の去った後に、銭蘚苔ぜにごけの細片が落ちていました。僕はそれを中心に捜査を進めたのです。そしてあの岬の松林の中に、同じ蘚苔こけと、人の足跡をみつけました。
廃灯台の怪鳥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
錢苔ぜにごけのいつぱい生えてゐる黒くしめつた墓石に、寂性清寥居士といふ名前を見つけてかなり心を騷がせ、その墓のまへに新しく飾られてあつた紙の蓮華の白い葉に
思ひ出 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)