“せらた”の漢字の書き方と例文
語句割合
世良田100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の住む世良田せらたやかたは、さくら若葉のなかに、きょうもいたって森閑しんかんとしていたのみならず、その奥まったところからは、笛、つづみ、太鼓のなど、いともび暢びとながれていた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たもつか。——内門ないもんの廊の袖に床几しょうぎをおけ。そしてすぐ軍議をひらこう。昨夜らいの物見の情報も聞きたい。——義助をはじめ、堀口、大館おおだて、江口、世良田せらた、居あわす者はみな寄れと申せ」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
従来の貢物こうもつは、それぞれの庄家をへて、世良田せらたの“みつぎ倉”へ運びこまれ、やがて牛馬車の列になって鎌倉ノ府へ輸送されていたのであったが、こんどはちがう。鎌倉幕府直々の徴命であるという。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)