“きりどお”の漢字の書き方と例文
語句割合
切通100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むかし芝の鐘は切通きりどおしにあったそうであるが、今はそのところには見えない。今の鐘は増上寺ぞうじょうじの境内の、どの辺から撞き出されるのか。わたくしはこれを知らない。
鐘の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それから二人は本式に息杖を振って、かどごとに肩をかえながら、下谷の屋敷町を真直に小普請手代を通り過ぎて、日光御門跡から湯島の切通きりどおしを今は春木町の方へ急いでいるのだった。
帰る時には玄関まで送ってきて、「今日は二百二十日だそうで……」と云われた。三人はその二百二十日の雨の中を、また切通きりどおごえに町の方へくだった。
初秋の一日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)